多摩川の流れを望む住宅です。
流れを望むという条件から、視覚性がまず考えられました。内部からは川の流れを「スクリーン」いっぱいに享受できること、外観は視覚を主題の一つとすること、など。
イタリア・マニエリズム期の建築家アンドレア・パラーディオの「テアトル・オリンピコ」は劇場という用途もあり、視覚的遠近法がその構成に用いられています。それほど古くなくとも19世紀の建物には錯視的効果を考慮した立面が結構あり、遠近法的視覚性は普遍的に見られる主題ではないかと思います。
この建物の外観でも、ある点、ある角度から見た視覚的遠近法という歪みを与えています。
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